ベビーシッターの性犯罪事件とその予防策

共働き夫婦が増えた近年、子どもをベビーシッターにお願いする機会も増えたといえます。

また最近はテレワークやリモートワークが推奨され、生活空間の中での仕事をする場合もあるでしょう。

子どもたちを見ながらの仕事はなかなか捗らないことも考えられ、ベビーシッターの利用者はますます増えたかもしれません。

一人ではどこに行ってしまうかわからないような小さな子どもたち。大人が見ていてくれるというのはとても安心できるものです。

親としては深い感謝の気持ちでいっぱいになることだと思います。

ところがそのような気持ちを踏みにじり、裏切り、子どもにとってトラウマになるような嫌な経験をさせられることがあります。

信頼して大切な子どもをお願いしたにもかかわらず、性犯罪を犯すベビーシッターが存在するのです。
 

ベビーシッターによる性犯罪事件

2020年4月と6月において「キッズライン」の男性シッターが預かり中の子どもに対してわいせつ行為で逮捕されました。

1件目は2019年11月14日、前日の熱のため普段通う保育園を休み、両親はキッズラインでシッターを利用しました。

そこへやってきた男性シッターによって、5歳男児は下半身を触られたといいます。

仕事から戻った両親が男児からの話を聞き、発覚しました。

2020年4月24日に逮捕された容疑者には複数の性犯罪歴があったことがわかりました。

2件目は2020年4月から5月にかけて、5歳の女児が下半身を触られる事件が起きました。

キッズラインで登録をしている男性シッターによる犯行でした。

公園のトイレ、在宅勤務の母親が仕事をする隣の部屋での犯行など、複数回にわたっていたと思われます。

女児の告白により発覚し、2020年6月12日に男性シッターは逮捕されました。

このように短い期間で2件、男性シッターによる性犯罪が起こってしまったのです。

しかしこれらは氷山の一角であり、発覚しただけでも2件と考えるべきではないかといわれています。

なぜなら幼い子どもの中には、自分の身に起こったことをきちんと話せない場合もあります。または口止めをされていることも考えられるからです。

言えないだけで、シッターによって嫌な経験をした子どもたちがたくさんいるかもしれません。

性犯罪は親にも子どもにも大きな心の傷となって残ってしまうものなのです。
 

ベビーシッターを利用する際の注意点

ベビーシッターの利用には、事業者に連絡をして申し込むことでシッターが派遣される方法とマッチングサイトを利用して個人的にベビーシッターを依頼する方法があります。

特にオンライン化が進み、便利なマッチングサイトなどが手軽になった一方でそこにはデメリットも存在します。

キッズラインではマッチングアプリを使用していました。

マッチングアプリとはマッチングサービスを行うアプリで、インターネット上でお互いが最適な人材をみつけたり、取引を行ったりするものです。

結婚相手を探すためのツールとして広く認識されていましたが、近年はそれだけにとどまりません。

ビジネスの上でも多くのマッチングサービスが流通しています。

マッチングサービスは手軽である反面、お互いにそれだけではわからない部分が多く隠れていることも特徴のひとつといえます。

事件でもキッズライン側は「男性シッターを小児性愛者だと見抜けなかった」と発言しています。

それこそがマッチングアプリの落とし穴といえる部分ではないでしょうか。

ベビーシッターをマッチングサイトで探す場合、事業所から派遣されるベビーシッターを利用する場合も含め、注意点をまとめました。

1.普段から情報収集をしておく

急にベビーシッターを依頼することになったときに、とりあえずという気持ちで選んでしまわないためにも日頃からいつか利用するかもしれないという気持ちで情報収集をしておくことをおすすめします。

事業所のこと、ベビーシッターのこと、できるだけたくさんの情報を集めておきましょう。

自宅の外での保育を希望する場合には、その場所へ行き、注意するべき場所などを下見しておきます。

2.依頼するベビーシッターの個人情報を把握しておく

数年前に起こったシッターによる虐待事件では、偽名を使ったベビーシッターがいました。

必ず本人確認をし、氏名、住所、保育士の資格や認定されたベビーシッターであることがわかるものを提出してもらいコピーしましょう。

そして、保育中でも連絡をとれるように必ずつながる連絡先を確認してください。

合わせてサービス事業者の電話番号や所在地などの確認も忘れずに。

3.預ける前にベビーシッターと会いましょう

どんなに急に利用することになっても、ベビーシッターとの面接は必要なことだという認識を持つことが大事です。

子どもの性格や好きなこと、嫌いなもの、どこで保育をしてもらうのかをあらかじめ話しておくためにも必要です。

また話すことで相手を知る機会につながるかもしれません。

そして必ず会ったベビーシッターに預けてください。

引き取りの際まで気を抜かず

子どもを引き取るときには、ベビーシッターと子供からなにをしてどのように過ごしたのかを聞きましょう。

どこかおかしいと感じた場合には、必ず確認をしてください。

事件後、厚生労働省HPでは「ベビーシッターなどを利用するときの留意点」の改訂を通知しています。
こちらも参考にしてください。
 

ベビーシッターによる性犯罪の予防策

海外では住み込みのベビーシッターがいるほど、以前から定着したサービスです。

そのためシッターによる虐待事件や性犯罪事件に関して多くのガイドラインや制度が整っています。

フランスでは日本同様に資格がなくてもベビーシッターをすることができます。

ただその中でベビーシッターになれない人というのが日本との違いなのです。

ベビーシッターを希望する場合に前科が記された書類を提出することが推奨されているのです。

事業所は前科がない人をシッターとして雇うことができるという仕組みがあります。

イギリスでは法務省の下で、DBS(Disclosure and Barring Service)という機関が存在します。

こちらは、個人の犯罪歴をチェック、証明書を発行する場です。

保育園や小学校、そしてベビーシッターを含む一定の年齢以下の子どもと接する仕事をする場合にはDBSから発行される犯罪歴がないという証明書の提出が義務付けられています。

残念なことに日本はまだ子どもを性犯罪から守るという点において非常に遅れているという状態だといえます。

そのためシッターの利用者が最大限に注意をする必要があるのです。

注意点1

手軽さや口コミなどに頼らずに、信頼できるベビーシッターを第一条件に考えてください。ほんのわずか時間であっても、大切なこどもを預けるという緊張感を持ち、常に子供の様子を気にしましょう。

注意点2

ベビーシッターと子供だけの空間になる場合には、カメラを設置して保育の様子を遠隔で見られるようにしたり、録画されたものをしっかりチェックしましょう。カメラがあるというだけでも抑止力となります。

注意点2

どんな状況でもベビーシッターと連絡をとれるようにしておきましょう。保育中、定期的に子どもの様子について連絡をいれてもらうのもいいかもしれません。また何かあってからではなく、こちらからマメに連絡を入れることは見守りにつながります。

利用者がどんなに気を付けていても、起こってしまう事態を予防するためにもイギリスのDBSのような機関を日本でも取り入れるべきだという声が多くあがっています。

日本の国として、サービス事業者として、これからのしっかりとした対策に期待をしたいと思います。

そして誰もが安心してベビーシッターを利用できるような世の中になるべきだと思うのです。
 

ベビーシッターの性犯罪事件とその予防策
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